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Vol.14 - 1
2006/07/05発行

 新任教授のごあいさつ
 
高次機能医科学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野 鈴木 幹男
 

 琉球大学医学科同窓会の皆様,はじめまして。平成18年2月1日付けで,東野哲也教授の後任として,琉球大学医学部高次機能医科学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野に赴任いたしました鈴木幹男と申します。当教室は野田寛名誉教授が拓かれ,教室主任として3人目になります。琉球大学とこれまで関係はございませんでしたが,以前から沖縄の文化には関心をもっており,この地で新しい仲間と臨床・研究・教育に取り組めることは大きな喜びです。
 私は琉球大学に応募するにあたり3つのことを公約いたしました。その3つとは,1.自己完結型の高度医療を提供できるようにする,2.臨床と研究を密接にリンクさせ,新しい医療を確立するための研究をおこなう,3.地域から開業や赴任に際し琉球大学で研修した人が欲しいと要望されるような人材を多く育成する,ことです。沖縄県は多くの島で構成されているため,大都市及びその周辺地域とは異なり高度な医療を求め他府県で治療を受けるのは困難です。琉球大学が地域の中核的医療機関として沖縄県の方に高度医療を提供(自己完結型高度医療の提供)できるようにしてゆきたいと思います。耳鼻咽喉・頭頸部外科は,頸から上の内科,外科といわれるように,扱う範囲は広く,めまい・耳鳴り・難聴から頭頸部悪性腫瘍まで多くの患者さんが対象となります。高度医療を提供するためにはある程度専門性をもった診療が必要です。このため4月から専門外来制(難聴・めまい外来,中耳炎・顔面神経外来,人工内耳・幼児難聴・補聴器外来,鼻副鼻腔・アレルギー外来,咽頭・唾液腺外来,甲状腺・頭頸部腫瘍外来,頸部エコー外来,嚥下・音声外来,形成・外傷・味覚外来)に移行し,より高度な医療を提供できるように体制を整えております。
 私は臨床医の育成にはみる,知る,実行するの3つが必要不可欠と考えています。みるは病める人の立場に立って診察をおこなうこと及びできるだけ多くの手術を経験しその技術を見ることを指します。知るは,臨床で疑問に思ったことを突き詰めて自分で学習することを,実行するは実際に手術を行う,調べて見いだしたことを研究・発表するということを指しています。私を含め教室員は未だ若く発展途上の教室でありますが,国内外の一流の施設・術者と交流し,活気ある教室を創ってゆきたいと考えております。今後ともご指導,ご鞭撻宜しくお願い申し上げます。